文:ニコラ・デイビス / 絵:ゲイリー・ブライズ / 訳:松田素子 / 出版社:BL出版
強く、美しい、偉大なる「白き王者」からのメッセージ
一言で言って、とても美しい絵本です。
ナヌークとは北極熊のこと。
絵本のカバーに記載されている通り、北米・カナダの極地に住む人々(エスキモーあるいはイヌイット)は、彼らの言葉で、ホッキョクグマのことを「ナヌーク」と呼ぶのだそうです。
ナヌークが北極の地でどのように生き、狩りをし、子を産み、育てているのか。そして、その子どもたちがその後、どうなっていくのかをこの絵本は描いています。
強く、大きく、そしてときには獰猛なナヌーク。酷薄な北極の自然のなかで子どもたちを保護する彼女の目はあくまで優しい。アザラシを狩る様子は、凶暴な獣の恐ろしさと同時に、息を呑むような美しささえ放っています。
ストーリー本文の他に、北極熊の生態や北極についての知識が、本文より小さめの文字、かつ別のフォントで記載されています。
絵本の本文が終わった後の最終ページには、「ホッキョクグマのこと」という題名で、訳者からのメッセージが掲載されています。ここでは、北極熊について、もう少し詳しく説明している他に、地球温暖化について触れられています。
極寒の地に、強く、優しく存在するナヌークは、まさに「白き王者」。
本文ページでは、地球環境を守ろうなどという直接的なことは書かれていません。しかし、その「白き王者」の姿は、『これを壊してはいけない』と、自ずと感じさせてくれます。
北極熊と、北極の自然の美しさに引き込まれました。おすすめの絵本です。




コメント